食事の目的は栄養を摂取することと割り切る
日本中だけでなく世界中で子育てをしている母親の悩みとして、聞かれるのが子供の偏食です。
子供のためにたくさんのレシピを研究したり、あれこれと毎日の食事の方法に工夫を盛り込んだりといった努力を重ねている人もいますが、そこまでしても全く改善しそうにないと落ち込んでいるケースも見られます。
しかし児童相談の窓口で子供の偏食について相談する事例の大半では、偏食以外の問題は特にないのです。
「早く食べなさい!」と無理やり全部食事を食べさせようとすることは、子供に大きなストレスを与えることになってしまい、楽しいはずの食卓の雰囲気を重いものにしてしまいます。
結論から言うと、幼児期の偏食は厳しくしつける必要性のない事なんです。
というのも子供の時期の食は、熱量(エネルギー)の高いものを自然に好むようにできているからです。
子供が好む食べ物としては、甘いお菓子やジュースなどがまずあり、その他にもさつまいもやじゃがいも、とうもろこしなど甘みのある野菜を含んだ食べ物を欲しがる傾向があります。
これらは少ない分量でも高いエネルギーとなる食品であることから、あまりたくさんのものを食べることができない子供は自然とそうしたものを欲しがるのです。
極端に言えば、子供は水とデンプンを摂取していれば体を動かす栄養分のほとんどを摂ることができるということですね。
一日30品目といった目標は大人向けのものであり、子供のうちから厳密に守らなくてはいけないものではない、という風に割り切ってしまうと少し子育てが気楽になります。
とはいえ体が求めているからといってお菓子ばかり食べていると、その他の体を作る栄養分が不足してしまいますので、上手に他の食材を食べられるようにしていく必要がありますね。
叱るのではなく褒めるという方向で
未就学の幼児期の食事では、あまりたくさんの品目を一度に食べさせようとするのではなく、一品ずつでも水とデンプン以外のものを食べさせるようにするということが大切です。
例えば普段の食事ではご飯がメインであるなら、そこに野菜や魚介類を一つだけでも食べてもらうようにします。
主食はご飯の他、パンやうどんなどの種類がありますが、できるだけご飯を中心にすることが勧められます。
と言うのもご飯は主食類の中でも最も多くデンプンを含んでおり、しっかり食べることで間食に甘いお菓子やジュースを食べる量を減らすことができるからです。
出した食べ物を残したからといって叱りつけるのではなく、食べられたということを褒めてあげるようにすることで、少しずつ食べられる品目を広げていくことができます。
食べ物の大切さを教えるのはよいのですが、責めるような叱り方をするのはよくありませんね。